図書館の魅力を再発見する

ここ1年弱くらい、図書館に足を運んでいないことに気が付いた。

というのも、本屋さんで本を買う楽しみを知ってしまったから。大学の書店は学割が効いて安く買えるし、なによりじっくり吟味して選んだ一冊には格別の思い入れが生まれる。

とはいえ学生の身分、しかも多い時には10冊以上本を読む手前、全部の本を購入してもいられない。そんなこんなでお財布がそろそろピンチになりまして。(詳しくは『趣味の守備範囲を広げる』を読んでみてください、私のバイト代がどこへ消えていったのか詳しく書いてあります、トホホ…)

 

お給料が入った数日前、「今日から6月いっぱいまではもう本を買わない!読む本は図書館で借りよう!」と思い立ったわけです。

 

私が利用している図書館は家から歩いて5分ほどのところにあり、小学生の頃から幾度となく通ってきた場所。夏休みには一日中図書館にこもって座敷席に寝転がって本を読み漁ったなあ、中高生の頃は何時間もこの席に座ってテスト勉強をしていたなあ、気晴らしに単行本の棚を回って「テストが終わったらこれを借りよう」と気持ちを奮い立たせていたなあ、なんて、一歩足を踏み入れれば思い出がたくさんよみがえってきた。

たった一年行っていなかっただけなのに、懐かしい気持ちでいっぱいになるのが不思議。

 

 

 

そして、いざ借りる本を選ぼうと文庫の棚から順番に回り始めたら、びっくり。

図書館で本を選ぶのって、こんなに楽しかったっけ。

たとえるなら、本のバイキング。無料で、好きな本を(決められた冊数までなら)何冊でも借りて良いなんて!

それが図書館の仕組みでしょ、と言ったらそれでおしまいなのだけど、改めて「なんて素敵な施設なんだろう」としみじみしてしまった。

 

ちょっと気になる、くらいの本でも気軽に手に取れる。外国文学ってハードル高いんだよなあ、と思ってもとりあえず借りてみることが出来る。

 

無料であるってことは、新しいジャンルの本、読んだことのない作家の本に出会うハードルを極限まで低くしてくれるということ。そのおかげで広がる世界がきっとたくさんあるんだろうなあ、と。小学生の頃の私にも、中高生の頃の私にも、そして今の私にも。図書館がそこにあってくれたおかげで出会えた物語がたくさんあるし、これから先出会うであろう世界も、あの場所にまだまだ詰まっている。

 

図書館、なんてすばらしい場所。

たとえどれだけ大金持ちになったって、図書館には通い続けようと決めた日でした。